ポジャギ– 銀茶房 Pojagi –

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ポジャギとは?

韓国の伝統工芸「ポジャギ」をご存知でしょうか?日本の風呂敷に似た、物を包む布のことですが、その美しさや込められた意味は深く、韓国の文化を語る上で欠かせない要素の一つです。この記事では、ポジャギについて、歴史、用途、生地の種類などを網羅的に解説し、ポジャギの全体像を理解していただけるようにまとめました。

ポジャギ、チョガッポ、そしてカリゲ

一口に「ポジャギ」と言っても、実は用途によって言葉が分かれます。

ポジャギ(보자기)

物を包んだり覆ったりする布の総称です。風呂敷のように物を包むだけでなく、贈答品の包装、食べ物を覆う、収納のカバーなど、様々な用途で使われてきました。

チョガッポ(조각보)

様々な色や形の布の端切れを縫い合わせて作られたパッチワーク状のものを指します。「チョガッ」は「かけら、断片」という意味で、文字通り布の端切れを活用したものです。つまり、チョガッポはポジャギの一種であり、ポジャギはより広い概念と言えます。

カリゲ(가리개)

主に目隠しや間仕切りとして使われています。「가리다カリダ(隠す、覆う、遮る)」に「개ゲ(~するもの)」という名詞化の接尾辞が接続した言葉です。

日本では「ポジャギ」という言葉が普及しているため、「ポジャギ」が多く使われますが、「チョガッポ」や「カリゲ」のことを指していることもあります。私もポジャギという言葉の中にチョガッポやカリゲの意味も含めてしまっていることが多いです。

ポジャギの歴史

博物館のポジャギ展示
ソウル工芸博物館

ポジャギの起源は古く、高麗時代(10〜13世紀)にまで遡るとされていますが、最も盛んに作られたのは朝鮮時代(1392〜1910年)です。

  • 宮廷のポジャギ(宮褓、クンポ): 宮廷では、絹などの高級な布に豪華な刺繍を施したポジャギが、婚礼などの儀式で使われました。
  • 庶民のポジャギ(民褓、ミンポ): 一般庶民の間では、衣類を作った残りの布を縫い合わせて作られたチョガッポが広く使われました。物を無駄にしない生活の知恵から生まれたものであり、一針一針に幸福を願う心が込められていたと言われています。

ポジャギの用途

ポジャギは、用途によって様々な種類があります。

  • 日常用: 食卓を覆うサンポ(상보)、貴重品を包むドンポ(돈보)など、日々の生活で使われるもの。
  • 婚礼用: 婚礼の儀式で使われる華やかなポジャギ。
  • 祭礼用: 祭祀の際に使われる神聖な意味合いを持つポジャギ。
  • 布団包み(イブルポ、이불보): 大きな布で布団を包み、収納や持ち運びに使いました。

さらに、カリゲのように目隠しとしての用途もあります。生地の材質や色の組み合わせによって様々な表情が楽しめるカリゲは、現代の生活の中にも簡単に上質感を取り入れることができるインテリアの一つです。

生地の種類と用途の違い

ポジャギに使われる生地は、素材や織り方によって様々な種類があります。ここでは私がよく使う代表的なものを取り上げます。

モシ / 苧麻(모시))

ポジャギ使用サンプル
  • 素材: 麻。
  • 特徴:
    • 通気性が良く、軽くて丈夫。
    • ザラザラとした触感があり、素朴で自然な風合いが魅力。
    • 手織りされるものは独特の温かみがあるが高級品。
  • 用途:
    • 夏用の衣服(涼しいチマチョゴリや日常着)。
    • ポジャギでは実用的な包み布やカジュアルな装飾用。
  • 印象: 素朴さ、伝統的な雰囲気。

オクサ / 玉紗(옥사)

リビングのポジャギ使用例
  • 素材: 絹。
  • 特徴:
    • 非常に薄手で、透け感がありマットな落ち着いた質感の光沢が美しい。
    • 滑らかな手触りで、上品で高級感がある。
    • 絹の中でも特に高級な種類として扱われる。
  • 用途:
    • 儀式用や婚礼用のチマチョゴリ(華やかで正式な衣装)。
    • ポジャギでは装飾用、または特別な贈り物用の包み布。
  • 印象: 洗練された上品さ、繊細で華やかな雰囲気。

スコサ / 熟庫紗(숙고사)

カバーとしてのポジャギ使用例
  • 素材: 主に絹を使用。繊細で滑らかな質感が特徴。
  • 特徴: 細かく緻密な織り目を持ち、透明感がある薄手の生地。涼しさを保ちながら美しい光沢を放つ。
  • 用途: 夏用の韓服(特に涼しさが求められる場面での衣服)や高級な装飾品に使用される。
  • 印象: 優雅で繊細、清涼感のある上品な雰囲気を醸し出す。

ヤンダン(양단)

  • 素材: 絹を主成分とした高級織物。
  • 特徴: 厚みがあり、光沢が強い。織り込まれた模様が際立つ美しいデザインが特徴。
  • 用途: ポジャギ(包み布)や韓服の礼服、装飾品(座布団カバーやカーテン)など。
  • 印象: 華やかで重厚感があり、高貴で伝統的な雰囲気を醸し出す。

ミョンジュ(명주)

ミョンジュのピンクッション画像
  • 素材: 絹を使用した韓国の伝統的な平織り生地。
  • 特徴: 繊細で滑らかな手触りがあり、やや光沢がある。薄手ながら丈夫で通気性に優れる。
  • 用途: 韓服(特に夏服や日常着)、ポジャギ、枕カバー、装飾用布など。
  • 印象: 上品で清楚、落ち着いた伝統美を感じさせる雰囲気。

チョガッポの特徴

チョガッポのサンプル画像
ソウル工芸博物館

チョガッポは、様々な色や柄の布を自由に組み合わせることで、独特の美しさを生み出します。

  • 不規則な配置: 布の形や配置は決まっておらず、自由な発想で作られます。
  • 色のコントラスト: 色の組み合わせによって、様々な表情を作り出すことができます。
  • 光の透過: 薄い生地を重ねて使うことで、光が透過し、美しい陰影を生み出します。

チョガッポは、単なる端切れの再利用ではなく、生活の知恵と美意識が融合した芸術と言えるでしょう。

カリゲの魅力

カリゲもまた布を素材とした芸術と言ってもよいのではないでしょうか。

生地の質感と生地を通して透けて見える情景の組み合わせによって生まれる光景は、単なる遮光でもなく、ただの採光でもない、心地よい空間を室内に生み出してくれます。

ポジャギは、物を包むという実用性だけでなく、韓国の文化や歴史、人々の想いが込められた美しい伝統工芸です。ワークショップでは気軽にポジャギに触れていただけるように、簡単なマニュアルをご用意しています!

ギャラリー

今後インスタグラムやワークショップでご紹介しているポジャギを中心にまとめています。

ワークショップ

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